狭める辛口


100%個人的であるが《辛口》という表現は好きではない。


何故かって?
ワインのお店をやっているからだ。



この《辛口》というなんとも不的確な言葉は、言葉豊かな日本語としては非常にとらえどころがなく曖昧で楽チンな困ったチャンで、味覚や表現・考えることをお粗末にしていく恐ろしい言葉だと思っている。

まぁ、わかっている人の間ではこの言葉はそうそういう出るものではないので気は楽なのですが。

特にワインショップや飲食店の人達には接客上大問題であるはず。(多々そうでない同業者もいるか…)
《辛口》という赤か白か位の情報をもとに、会話や人間性からどういうものを求めているのか莫大な中からすり合わせていかなければならないのだから。
更に日本のワインには辛口表記やワイン名にまでも辛口のオンパレードなのだから。勿論、裏には商業的理由などがあるにせよ困った事態である。言い過ぎだとしたらゴメンなさい···。

そもそも辛口ワインなんてないわけで、
残糖率やガスが強いなどは決して日本語の《辛い》ではないのだ。
外人がドライというのとは違うし表現としてスパイシーと言うことはあるが違うのだ。

これはもう今更変わらないだろうがそういう《辛口》↔《甘口》という日本人の解釈で広まってしまったのは残念である。
甘くないのが嫌だから辛口下さいとしか言えないのは残念で、そもそもワインは甘いものであるし、もしも辛いワインがあったら不味くて飲めないのだ。


甘口にも辛口にも色々ある。
どんな風に甘いのか、もし辛く感じるとしたら何故どんな風に辛口に感じるのか説明出来ないと。それがわかっていないと曖昧な甘口辛口は各自が思っているのと他人とではかけ離れたものとなってしまっているはず。
伝えることに関して〈合っている間違っている〉は関係ないのである。それぞれの感性をお互いに共有し、すりあわせることが大切だから。日本語は細かいニュアンスも表現出来るし、何か言えないと言うことは何も感じれていないという事なのだから。そういう場の《甘い辛い話》は残念である。

と言いながらも、私も何も言えなかったし、そもそもそんな事・表現を考えたことすらなかった単なる男子だったし。

ワインとフランスがあってたまたま気づいてしまったのだ。

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