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9月, 2017の投稿を表示しています

Château La Baronne Corbières Les Lanes Rouge(シャトー ラ バロンヌ レ ラーヌ ルージュ)

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シャトー ラ バロンヌ レ ラーヌ ルージュ 生産者     Château La Baronne ワイン名    Corbières Les Lanes Rouge 2014 産地      Corbières 品種      Carignan/Grenache 僕の中でコルビエールと言えばこの生産者です。 日本ではブルノ・デュシェンが醸造に参加したプロジェクトの(単一品種シリーズ)ワインが人気があるようです。勿論どれも素晴らしいワイン達です。が、ワインそのものの人気と言うよりは、色々な知名度やコマーシャルなどが先行して人気になったような雰囲気を感じてしまいます・・・。 また、日常気軽に飲んでほしいワインという生産者の言葉は、味わいは気軽で素晴らしい(ごくごく飲める)ですが、日本で飲むには価格面で気軽でないので厳しい気もしますが・・・これを言ってしまうと飲むものが無くなってしまいますね・・・。 なので、同価格帯での赤ワインはこちらの複数セパージュ型の方がより赤ワインらしいスタイルを味わえるので僕は好みです。( 勿論、人それぞれに求めるものは違うので個人的にです) 濃厚さと瑞々しいフルーティーさを併せ持った香り。 酸を含んだジューシーなブドウエキス・ブドウの皮のような渋みも香りから感じます。 マールとカシスのブランデーやフルーティーなブランデーとチョコレートをかけたようなアロマ、杏やハチミツ、木の枝、レーズンを煮た香り。 少しすると全てがまとまったかのような一体感を帯びたリッチなアロマへと形成され本領発揮。 口に含むと一瞬円みを感じ、すぐに自然と沸いてくる優しく細かい丁寧な酸と渋みが口の中に染み込み、ベリー感だけが上顎に上がってきます。その間の食感のように感じるのは、瑞々しい葡萄の果肉を噛んだような感覚。 アルコール感はありますが、酸と渋みが上品なのでブドウジュースのような味わいは、スイスイ飲んでしまうでもなく胃に溜まるような重たさもなく絶妙な飲み心地。 コルビエールの定番としてセラーに一本は入れておきたいです。 グラスに残ったアロマからは、 50/50の きめ細やかな渋みと酸の割合を感じ、それは若い北ローヌ近辺のワインに通じる小さな果実のアロマの様。 全体を通

Domaine de Pechpeyrou EL ANGEL(ドメーヌ ド ペシュペイルー エル アンヘル)

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ドメーヌ ペシュペイルー/エル アンヘル 生産者     Domaine de Pechpeyrou ワイン名    EL ANGEL 2014 産地      ROUSSILLON 品種      Grenache noir ルシヨンと言えば、たっぷりと太陽を浴びた濃厚なグルナッシュノワールというイメージですが、このワインはルシヨンの土っぽさと凝縮感はそのままに果実の隙間に空気が入ったような軽い膨らみのある絶妙なエアー感が特徴的。 クランキーチョコなどに入っているモルトパフのような。 シャルルドゴール空港に着いた時のような空気感漂う。 一見高品質なラングドックのワインに通じる独特なアロマも。 また、農場的な香りもするのでこれは好き嫌いはあるかもしれませんが、僕はこの香りを良い方にとらえています。 香りが落ち着いてくると、紫キャベツのバター蒸し(byラグー)、ブドウを食べて育った豚で作った生ハム(想像です・・・) どれも少し個性的な香りをイメージさせるような個性的な香りがしてきます。 コリウールやバニュルスに行ったときのことを思い浮かべれば、マグロのソテー・ フラン ス産の海藻バターやルイユに良く合いそうな風味。 軽やかで表面的な酸と最低限の渋みに、甘いのに甘くないブドウエキスのようなジューシーさが溢れながらも、しっかりとした中高域と落ち着きの両立。フランスワインのみが成せるエレガントな風味。 レーズン~アリッサのようなスパイシーな余韻まで様々。                                               少し多めに口に含んだ方が、このワインの良さをより感じます。 味わって飲むのも面白いし、思い切ってゴクゴク飲んでも美味しいワインです。 この地のワインは、時にたくまし過ぎて飲むのに苦労する事もありますが、これは 従来のルシヨンのワインと大きく違い、 安心して1本を美味しく飲みきれます。 濃い産地に行けば行くほど、改めて酸や全体のバランス感の大切さを実感します。 難しく感じてしまうかもしれませんが、それはフランスワインの醍醐味です。 気分次第でグビグビと流して飲んでも良いし、様々な細かいニュアン

イザベル・レジュロン自然派ワイン入門

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2017年に発売された「自然派ワイン入門」の紹介です。                         イザベル・レジュロンの「自然派ワイン入門」 イザベル・レジュロンさんとは、MW(マスターオブワイン)自然派ワイン運動の推進者。「トラベル・チャンネル」で自信の番組を持ち、ロンドンで自然派ワインのフェスティバル(RAW)を毎年開催して成功を収めているほか、有名レストランのワインリストの監修を務める。「デカンター(DECANTER)」誌に寄稿、自然派ワインを推進するためのコンファレンスや試飲会も主催。フランス人女性では初めてマスター・オブ・ワインを取得、パリで「2009年ワイン・ウーマン 」 にも選ばれた。 「自然派ワイン入門」より。 僕は今までワインの勉強など全くと言ってよいほどしてきませんでした。 ただひたすら飲み続けてきただけです。 もちろん、本当にただ飲むだけではありません。製法などを理解して飲むのではなく、飲んで何を感じるのかを考えながら飲むのです。例えば、試飲会で一口飲んだだけとか、一本頼んで試飲がてらに店でお客さんに出すというような軽いお付き合いはしてきませんでした。大事にしていることは一本一本のワイン達と真面目に向き合い、お付き合いしてみることです。 僕の場合。まず始めに、そのワインを一本分(正確には2人でシェアしているので1人3杯程度)を体内に取り込みます。一本を通して飲んでいる間にそのワインの性格・個性など様々な面を感じ取り体中に染み込ませて行くのですのです。飲み始めの頃は「あまり美味しくないな~」とか「なんだこれっ?変な味~」などと思って飲んでいたワインもありました。でもそれは、自分の舌がまだ慣れていなかったり熟れていなかったりしていただけで、味覚が幅狭く何も知らない分からないだけなのでした。そんな事を感じながらもっと美味しく飲めるようになりたいと思いつつ、ワインを飲むということを毎日のように2,3年程繰り返していました。すると、はじめの頃には苦手だった味も美味しいと感じるようになり、理解出来なかった旨味も感じ取れるようになり、ちょっとした風味の違いに楽しみを感じ、自分の中でワインの世界が広がっていくのが分かりました。

DOMAINE BASSAC Cabernet Franc(ドメーヌ バサック カベルネフラン)

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ドメーヌ バサック/カベルネフラン 生産者      DOMAINE BASSAC  ワイン名     DOMAINE BASSAC Cabernet Franc 2015 産地          CÔTES DE THONGUE 品種          Cabernet Franc 青いカベルネフランの香りに若いベリー・乳酸的な円やかでミルキーなアロマ、そこに南フランスらしいふくよかな果実香。 更に、イチゴや様々なチーズ。 南仏(トング)×カベルネフランの相性は抜群ですね。 初めて飲んだときは衝撃でした。 予想もしない味わい。と言うより、予想以上に素敵なワインだったからです。 南仏ワインの可能性、あの太陽のキャパシティは凄いですね。 一つ一つは際立っているのに全体として非常にまとまりがあります。 青くふくよかで円やか、南仏の暖かい果実香とカベルネフランのスッと澄んだアロマの融合。 このヴィンテージ以前はもう少し青々しい草原のような・・・、品種の特長がもう少し前にでていて、ユニークで新鮮、僕はそれがとても気に入っていたのですが・・・。 この2015の方が皆さんには飲みやすくて気に入っていただけるのではないかと思います。 飲んでみると、 僅かにピクサンルーに通じるような渋味・酸味・赤い花や甘くないベリーの果実味。 香りだけでなくじっくり滞留させて味わってみても、価格を十分に越えるものを感じます。 本来なら低い重心をカベルネフランがふわっと持ち上げ、 適度に感じる果実味を酸と渋みが余韻まで運ぶお手伝い。 カジュアルなワインカシスですが色々と良いワインの要素を感じ取ることが出来ると思います。 素晴らしいワインですね。 来年はどんな仕上がりになるのでしょうか。 楽しみです。 ベジエの高台より 【有機ワイン フルボディ】「ドメーヌ・バサック IGP カベルネ・フラン」 750ml 価格: 1,814円 (2017/9/12 00:24時点)

Clos Siguier Cahors(クロシギエー)

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クロ シギエー カオール 生産者       Clos Siguier ワイン名                     Clos Siguier Cahors 2014 産地           Cahors 品種        Auxerrois/Tannat 僕の好きな産地の一つ南西部のカオールです。 エチケットにはカオールの名所ヴァラントレ橋が描かれています。 このエチケットの色あせ具合が、始めて訪れても 何処か懐かしさを感じる 町の雰囲気と、歴史深い産地のワインの味わいを上手く表していると思います。 *因みに、ここは1600年代始めに創設 抜栓直後は、新鮮で甘酸っぱい小さな赤い実。 それから、高級茶葉、お爺ちゃんお婆ちゃんの田舎の家、墨汁や畳、和を連想させる懐かしさのある香り。 鼻から頭上に昇る軽やかな香りは赤いシソの実・パイナップルの芯。 そして、落ち着きのある香りはイチジクやライチの皮や種、紅茶のシフォンケーキ、湿った土のニュアンスなど、高低差のあるアロマが感じられます。 他にも一瞬一瞬で様々な香りが入り乱れる深みのある香りが楽しめます。 飲んでみると、舌に染み込む細かいタンニンが低域を、 上顎に吸いつくように昇る酸味は高域を。 少し遅れて渋味も上顎の辺りまで追いついてきます。 そして、喉に流れるのは搾りたての赤い木の実のようなアルコールを含んだジュースです。 キュッと体を締めるような高い支配的な酸味が特徴的なので、 どうしても前にでる酸が受けいられない人にはオススメ出来ません。 (時間を置くと幾分か円やかになりましたが) 何とも懐かしいような古めかしいような感じは、 井上陽水の「少年時代」といったところでしょうか。 色々とここの産地のワインを飲みましたが、このワインが一番カオールらしいワインだと思っています。カオールを想い出したいとき・行きたくなったとき、僕はこのワインを飲んで雰囲気だけでも浸ります。 現地に行ったことがある人はこれを飲んだら懐かしくなるかも? 冬のどよめいた感じもまたよい                あ~~~行きたい・・・ クロ・シギエ(カオール)[2013]Clos

Le Clos des Grillons Terres Rouge(ル クロ デ グリヨン テール ルージュ)

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ル クロ デ グリヨン/テール ルージュ 生産者         Le Clos des Grillons  ワイン名     Le Clos des Grillons Terres Rouges 2010 産地                            Côtes du Rhône 品種                            Grenache/Syrah/Mourvèdre 南ローヌの良さが上手に現れています。 アルコールの乗った、たわわに実った熟した果実味と渋味。 濃いインクのアロマ・土のついたホワイトマッシュルーム香・枯れ葉・ピーマンのスパイスの余韻など、どれもはっきりとした香り・味・余韻。 少し前面に出ている中低域のお陰でしっかりとした立体感を作り重苦しさを感じさせません。 飲み始めは、 粗めの渋みがボリューミーでダイナミックな味わいを感じさせますが、徐々に綿密な渋みへと変化していき、口の中全体の隅々まで渋みが行き渡るようになり、味わいを口全体に運んでくれます。 ブドウの種を噛んだときに感じる渋味とその後に残るレモンのような余韻。 とてもしっかりとしていますがアルコールと酸が前に出過ぎることもなく、胃から戻ってくることもない。 飲み疲れする事もありません。 大らかでアグレッシブ、 ローヌの果実感と渋いのが好きな方にはオススメです。 2月なのに半袖でも暑い日差しの中、ローヌ川の脇でのんびりと贅沢な時を過ごしたのを想い出しました。そんな時、こういうワインがあったら良かったかも、何気ない一時が優雅でリッチになったのかもしれません。 因みに、白ワイン(レ グリヨン ブラン)もとても素晴らしく併せてオススメです。 Buy→ テール・ルージュ 2010 ル・クロ・デ・グリヨン フランス 赤ワイン 750ml  Buy→ レ・グリヨン・ブラン 2015 ル・クロ・デ・グリヨン フランス 白ワイン 750ml

SABLE DE CAMARGUE ROUGE

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ドメーヌ ル ピーブ/サブル デ カマルグ ルージュ 生産者     DOMAINE LE PIVE  ワイン名    SABLE DE CAMARGUE ROUGE 2015 産地      CAMARGUE 品種         Merlot/Grenache カマルグのワインです。 ヨーロッパで唯一フラミンゴが巣作りをするのがカマルグです。 ドメーヌはプロヴァンスの自然地帯の国立公園に畑をもっていて、そこにも沢山のフラミンゴが生息しています。このワインのエチケットにもフラミンゴがしっかりと入っていますね。 かわいらしいフォルムのボトル。 柔らかくなめらかな香り。 フルーティーでまろやか、イチゴにスパイスや軽いハーブが混ざったようなアロマ。 小雨が降った後の水滴がついた赤い花や湿った土が雨上がりの空気と合わさり、優しくしっとりとした空気の漂うアロマ。 微かにベーコン、カリッと焼いた肉の表面も。 日本の焼き肉に合いそうです。 口に含むとぷくっとした丸い果実が転がり込み、酸味と渋味を感じさせないような柔らかな液体となって舌の上をなめらかに通り過ぎて行きます。 荒々しさはなく落ち着いていてます。でも、ちょっぴりチャーミング。 終盤から余韻にかけて感じるスパイスの乗ったアルコール感が南仏の果実味をしっかりと出していますが、よい意味でスッと落ちくどさを感じさせません。 メルローとグルナッシュの2つの特性が、分かり易く上手に合わさっているのではないかと思います。 少しして、ほんのりミルキーなアロマが出てくると、昔よく食べた牛乳と潰したイチゴを混ぜて食べる時の香りと同じ香りが・・・。 夏なら少し冷やして果実味を抑え、飲み心地重視で楽しむのも良いかもしれません。 グラスに残った香りの余韻が長く、この香りを嗅いでいるとカマルグ湿地帯、その辺りのローカル電車から見える風景が思い浮かびました。 カジュアルでチャーミングな風味は、どこか赤い風船のようにも・・・ 更に、地元のレストランやカフェで使う丸くて小ぶりなグラス、脚を持って飲むようなものではないワイングラスがよく似合いそう。なんて想像できます。