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DOMAINE VIRET Emergence(ドメーヌ ヴィレ エメルジャンス)

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DOMAINE VIRET Emergenceドメーヌ ヴィレ エメルジャンス 生産者     DOMAINE VIRET ワイン名    Emergence 2010 産地      Côtes du Rhône Villages Saint-Maurice 品種      Grenache /Syrah /Carignan ある一定の高みに達したワインのみに感じられる特別なフィネスを感じるアロマ。 グラスに注がれたワインは少しでも波打ったりスワリングしてしまえば瞬時に解き放たれ、花開き、グラスの中はまるで小さな宇宙空間のように。 因みに、天体農法です。 一息吸い込むと、鼻から脳、そして頭の天辺まで抜けていく。広がりと伸びのあるアロマ。 あまりにも濃密でリキュールを飲んでいるような一口一口の満足感、そのまま永遠と続くような余韻で一本飲み終えた時の満足感も素晴らしい。 ワイン、ブドウに蜜があるとすればこんな香りだろうか。 ブドウのエキスと言うより蜜。 舌の両端にしっかりと感じる酸によって、勿体ぶりながらじっくりと味わいたい気持ちも虚しくも儚くもスルスルと喉へ通過し、体の下へと流れ落ちていってしまう。タンニンなく綺麗で飲み心地さえ良い。 しかし、余韻では流れ落ちたワインがブリ返してくれて鼻から脳まで沸き上がり、風味が再び体の中を循環する。 そう言えば、始めて見たときからボトルの佇まいからして完成された感があるなとは思っていた。

DOMAINE CLOS DES MOURRES NoVice (ドメーヌ クロ デ ムール ノヴィス

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DOMAINE CLOS DES MOURRES NOVICE (ドメーヌ クロ デ ムール ノヴィス) 生産者     DOMAINE CLOS DES MOURRES  ワイン名       NoVice 2014 産地      Côtes du Rhône 品種      Grenache/Syrah 大量に取って大切に保管しておいたクロデムールのノヴィスも先日とうとう最後の一本が売れ、売り切れとなりました。 残念ながら今のところ輸入されていないので飲む機会はもうありません。 正しい言葉かどうか分かりませんが、所謂自然派ワインというのを知り、驚きと染み入る美味しさを当時の僕に教えてくれたワインの一つでした。 いつ飲んでも新鮮でエネルギーに満ち足りていて、 常に100%の状態で迎え入れてくれる。 少しの冷涼さでバランスの取れた南ローヌの果実感にガスと酸が程好く合わさった時こそが、南ローヌにおいて最高に感動的な状態だと思っている。好みの問題かもしれないが...。 そしてこのワインもそれを体験出来る一本だ。 大人っぽいアロマで落ち着きを感じるが、口のなかではダイナミックで立体的。 そのまま勢いに乗り舌の奥で感じるピチピチとした爽快さは炭酸を飲んでいるかのよう。喉の辺りでも更に味が広がっていく。 一口一口飲むのが楽しいし、最後まで躍動感があって流れるような構成は完璧。 それでいて、ゆっくり飲んでと言われているかのようなしっとりと落ち着いた紫っぽさを纏っている。 自然の中で育った大人のよう。

BALAZU DES VAUSSIERES cuvée dent de lion(バラジウ デ ヴォシェール キュヴェ ダン ド リオン)

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BALAZU DES VAUSSIERES cuvée dent de lion(バラジウ デ ヴォシェール キュヴェ ダン ド リオン)  ワイン名      cuvée dent de lion 2013 生産者       BALAZU DES VAUSSIERES 産地        TAVEL 品種        Sy/Mv/Cr/Gn/Gb/Cr/Cs アルコールをまとった華やかなブドウのたまらない香り。 引き締まった紅色の香りからは芯の強さが伝わってくる。 南の包み込むような甘さを感じながらも全面に苦みがしっかりとあり、 白ブドウのニュアンスが効いている。 このほろ苦さというのは、南仏の旨味要素の1つで、現代的日本人にはないフランスらしい味覚のバランスの良さだと思う。 因みに、アルザスの生産者の1人も南仏ワインの良さの1つとして苦味をあげていました。 フルーツのコンフィやハーブを使った料理を連想させるのは南の特長がよく現れている証拠。 そして、このワイン自身から南らしい料理を欲している(気がする)ということは産地というものが的確に表現されているのだと思う。 酸とガスが合わさった飲み心地は苦味を上手くまとめ上げ、香りから余韻までビターでリッチな大人の味わいを引っ張っぱり、飲み道を先導してくれる。 口に含んだら後はそれらに従い、一口一口ゆっくりと、堪能しながら、深く飲み進めていきたい。 やはりバラジウ・デ・ヴォシェール、これまた最高に素晴らしいタヴェル。

Balazu des Vaussieres Sept Syllabes Rose(バラジウ・デ・ヴォシェール/セット・シラブ・ロゼ)

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Balazu des Vaussieres Sept Syllabes Rose ワイン名     Sept Syllabes Rose 2015 生産者      Balazu des Vaussieres  産地       Tavel 品種       Gr/Sy/Ci/Cb/Cr/Mv/Cr 最高のロゼの一本だと思っている。 待ちに待った入荷バラジウ・デ・ヴォシェール/ セット・シラブ・ロゼ。 フルーツの盛り合わせを一口で食べているかのように味に溢れていて、 料理が要らないほどにワインだけで成立している。 しかもロゼだ。 口に流れ入った瞬間から味が染み出てくる感覚は、誰もが素直に「美味しい」という言葉を発してしまうほどだろう。 ほとんどの場合、経験を積んだりしなければ美味しいと感じる事が出来ないものが多いが、このセット・シラブ・ロゼはそれに当てはまらずどんな飲み手にも同じ美味しい感動を与えてくれるはず。 醸造学校には通わず、独学と自然と身に付いたワイン造りはアルジェリア人の血とセンスや才能の塊か。 7品種全て混植の畑に混醸されて造られたワインは自然で野性的なワインへ。 飲むべきワインであることは間違いない。 出来ることなら全在庫買っておきたい。

Domaine Guillaume Gros lieu-dit Les Biguières(ドメーヌ ギョームグロ リュー ディ レ ビギエール)

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Domaine Guillaume Gros lieu-dit Les Biguières 生産者      Domaine Guillaume Gros ワイン名     lieu-dit Les Biguières 2011 産地       Luberon 品種       Grenache/Syrah/Carignan/ ローヌ最南端リュベロンから、 暑い夏の日を思わせるような南仏感いっぱいエネルギッシュなモンスターワイン。 実は、今まであまり積極的に飲んでこなかった産地でしたが、 パリの友達の店で何気なく飲んだリュベロンのロゼがきっかけで、それ以来気になり始めた産地です。 産地のイメージとしては、「The南仏ローヌ」と言えば一番分かり易いのかも知れない(現在の自然派から育った方にはイメージが掴みづらいかもしれない・・・) 表現すれば、ダイナミックなアルコール感、ギリギリまで 熟した糖度の高いボリューム満点の果実味がストレートでド真ん中に来る。 (これは、あくまでも現在の僕の少ない経験によるイメージなので・・・) これでもかと言わんばかりに、グラスの中で目一杯膨らんでいるレ・ビギエール。 とろみを感じるような濃厚リッチな香りは、定番だがカシスなどのリキュールや煮詰めたジャムなどを連想せざるを得ない。 だからと言って、ダムが決壊したようなしまりのない・だらしのない甘味ではないし、酸がなく角が取れすぎた球体でもない。 さり気ない酸とタンニンの中域感は確信的だし、アロエのような風味はしっかりと締めるところは締め、どっぷりとワインを楽しめ・浸り・酔える、抜群の安定感と安心感がある。 更にギョーム・グロのワインは、どれを飲んでも力が湧いてくるようなパワーがあり、素晴らしい生命力を持っているように感じる。 2011年という間隔も正に今しかない油ののっった状態なのか、 抜群の存在感だ。

EXTRA LIBRE Château du Cèdre(エクストラ リーブル シャトー デュ セードル)

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EXTRA LIBRE Château du Cèdre(エクストラ リーブル シャトー デュ セードル) 生産者    Château du Cèdre ワイン名   EXTRA LIBRE Château du Cèdre 2016 産地     CAHORS 品種     Malbec/Merlot 恐らく今年一番の衝撃でしょう。 シャトーデュセードルのSO2無添加というだけでも、 カオール好きとしては思わずニンマリとしてしまう。 更に、グラスにワインを注いで香りを嗅いだらニンマリ。 飲んだらさらにニンマリ。 本当はボトル見た瞬間に「違うなっ」って思い、届いてから飲むその日の夜まで楽しみでしょうがありませんでした。 勿論期待を裏切りません。 赤い果実や赤い木の実などの赤や黒のスタイリッシュなエレガントさと、土や根を張るもの・大地を感じるような力強さと骨太さ。 このエクストラリーブルでは、これらのカオールの持つ二面性をどちらもしっかりと兼ね備えているような健全なバランススタイルで、それらを 見事に味わうことが出来ると思っている 。 それは、 当主パスカル・ヴェレーギュの言う「人が介入しなければ、自然がワインの素顔を見せてくれるのです。~」と言う言葉そのものだと感じる。 濃縮されたダンディでジューシーなブドウのエキスは噛む程に味わい深くなるような大人の舌の遊び心のある自由でわざとらしくない味わい。 生命力を感じ、しっかりと的を得てまとまりもある。またピュアさを意識したようなそっち系ではないので、昔から飲んでいるおじさまたちにもいけるのではないでしょうか。 というか、おいしく感じてもらわないと困ります・・・ ベタンヌ&ドゥソーヴ誌の「SO2フリーの模範として、追随する他のドメーヌにインスピレーションを与えうる源となるだろう」という通り、非常に重要な位置付けになるような資格を持っていると思う。 時代の進化を目の当たりにしたというのはこういう時を言うのだろう。 そして僕は誰が飲んでくれるかも分からないのに残りの在庫分を買うことにしたのです。

Domaine Guillaume Gros Lubéron(ドメーヌ ギヨーム グロ リュベロン)

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Domaine Guillaume Gros Lubéron 2011 生産者      Domaine Guillaume Gros  ワイン名     Lubéron 2011 産地       Lubéron 品種       Grenache/Syrah/Carignan/Mourvèdre ワインを注いだ瞬間から、リッチで優美な甘い果実香がグラスの中いっぱいにタップリと充満する。 カシスやバラ・ワイン漬けしたレーズン、煮詰めたジャムなど。典型的ではあるが王道たるそれらがストレートに当てはまるというのは間違いなく良いワインということだろう。 少しでも鼻を近づければ、濃密でボリューミーなアロマとアルコール感がグイグイと押し寄せ如何にもこの地方らしい南仏香を嗅げる。 メロンやブドウの瑞々しいニュアンスは、繊細さを与え時間をかけてゆっくりと飲みたいと思わせられる上品さ。 肺活量を目一杯使いゆっくりと吸い込むと、鼻を刺激するアルコール感が脳まで周り回る。そのまま一気に含み口中に行き渡らせ飲み込めば、ワインが手足の先や神経まで張り巡り包まれるような充満感が堪能できる。 深く吸い込んだ先にこのワインの心髄がみえるようま気がする。 麻や民族的・オリエンタルな味わいまで想像がいく奥深さ。 甘いソース代わりにしてステーキが食べたくなる。決してサラダなんか挟まずに肉から肉へと食べ進めてほしい。 香りの第一印象から味わい余韻とそれぞれが豊かで、勿論ワインだけでも楽しめるが、それではいいワインが勿体なさすぎる。 リュベロンと言えばテーブルワインのイメージだが、多くの方々が思う単なる南仏の濃厚なワインではない。 南仏の太陽を浴びて焼けた赤い肌と夏の情熱。 熟され凝縮された南がつまっている。 時代の流れなど関係ないワイン。